第88回全国高校サッカー選手権大会第2日は31日、東京・駒沢陸上競技場などで1回戦15試合を行い、本県代表の藤枝明誠は徳島商(徳島)を1―1からのPK戦で3―2と下し、初出場で初勝利を挙げた。
藤枝明誠は前半2分、FW安東大介選手のゴールで先制。徳島商に同点とされたが、GK甲斐透真選手がPK戦で相手シュートを2本止める活躍をみせた。藤枝明誠は2日、東京・西が丘サッカー場で国見(長崎)と2回戦を行う。
▽1回戦
藤枝明誠 1(1―1 0―0 PK3―2)1 徳島商(徳島)
▽得点者【藤】安東【徳】小巻
【評】藤枝明誠がPK戦の末に徳島商(徳島)を振り切った。
明誠はFW安東のポストプレーと前線からの圧力で立ち上がりから主導権を握った。2分、FW大山のパスにMF鈴木が左サイドを突破し、クロスを安東が頭で合わせて先制した。
中盤以降は、徳島商のスピードのあるカウンター攻撃に盛り返され、21分にMF小巻のゴールで同点とされた。後半は藤枝明誠が圧倒的に攻めたが、相手守備陣を崩し切れなかった。PK戦ではGK甲斐が相手シュートを2本止めた。
単発な攻め、ミスで失点
藤枝明誠が苦しみながらも「全国1勝」をもぎ取った。
1―1で迎えたPK戦は徳島商が3本外したものの、明誠もDF山本真と藤原が止められ重苦しいムードが漂った。5人目のキッカーMF飯塚が落ち着いて左にけり込んで3―2。「緊張したが、絶対決めてやると思った」。県大会準々決勝で負傷し、この日が復帰戦となった背番号13が激闘に終止符を打った。
初陣を感じさせぬ、最高の立ち上がりだった。開始2分、MF辻、FW大山、MF鈴木とつないで左サイドを抜いた。クロスをFW安東のヘッドで鮮やかに先制した。
しかし、ここから初陣の重圧に苦しんだ。中盤の動きが悪くなり、攻めながらもミスを重ねた。そこを38度目の常連校につかれてカウンターを浴び、21分にはロングボール一発から同点とされた。「早い時間に点が取れたのに、自分たちのせいで相手にペースをもっていかれた」とゲーム主将の辻からは反省の言葉ばかりが口をついた。
「負ける怖さを考えると本来の形にはならない。もっとリスクを冒してでもいかないと」と田村監督。主将のMF小川を左足首のけがで欠き、FW安東も右足首と右ひざが万全ではない。満身創痍(そうい)のチーム状態ではあるが、両サイドからの攻めは単発で厚みがなかった。指揮官には思い切りの悪さがもどかしく映った。「痛みで体は動かなかったが、日に日に調子は良くなっている。次もいい準備して臨む」とエース安東。年明け2日の2回戦は国見(長崎)。名門相手に明誠本来の攻撃力を発揮することができるか。
PK戦 甲斐が名誉挽回
○…明誠の守護神がゴール前に立ちはだかった。PK戦は、GK甲斐が徳島商の小巻、児島のシュートを連続で弾き名誉挽回(ばんかい)。2回戦進出に導いた。
「自分のミスで失点したので、PKはチャレンジしようと思った」。前半21分、中途半端に飛び出して相手に同点弾を決められていた。PK戦では相手キッカーの軸足の動きをしっかり見て、コースを完ぺきに読んだ。
小学生の時はMF小川と同じ三重県内のクラブ出身。2人は中学から藤枝明誠SCに入り、同じ下宿先で全国を目指し励んできた。「勝ち上がって小川を試合に出そうという気持ちです」。けがでベンチから外れた小川主将は5日の準々決勝には間に合う見通しだ。