サッカーの第87回天皇杯全日本選手権(日本サッカー協会、Jリーグ主催、静岡新聞社共催)は22日、ユアテックスタジアム仙台などで準々決勝の2試合を行い、日本フットボールリーグ(JFL)のホンダFC(静岡県代表)はJリーグ1部(J1)王者の鹿島に延長戦の末0―1で敗れた。
▽準々決勝(仙台)
鹿島(J1) 1(0―0 0―0延長0―0 1―0)0 ホンダFC(静岡)
▽得点者【鹿】柳沢
▽観衆 8573人
【評】ホンダは退場者を出したのが響き、延長の末、競り負けた。
ホンダは鋭い出足とタイミングのいいサイド攻撃で鹿島を揺さぶり、前半は対等に渡り合った。後半も前半の流れを引き継ぎ、激しくプレスをかけ続けて、チャンスをうかがった。18分、糸数の右折り返しに土屋が頭で合わせ、23分には桶田の左クロスに新田が飛び込んで、決定機を生み出した。
だが37分、糸数が2枚目の警告を受けて退場。数的不利を気迫で跳ね返していたが、押し込まれる場面が目立ち始めた。それでも、要所は抑えて延長に持ち込んだが、延長後半5分、FKをつながれ、柳沢に決勝ゴールを許して惜敗した。
ライン上げ互角の戦い
ホンダはJ1の覇者・鹿島を存分に苦しめた。
「引いてはだめ。前で勝負する」。5回戦の名古屋戦の前半、ラインが下がり防戦に追われたのを反省、石橋監督はアグレッシブに戦い抜くことを要求して、J1王者との一戦に臨んだ。
各選手は指揮官の要求通り、ラインを押し上げ、激しくプレスをかけて鹿島の動きを寸断。こぼれ球の競り合いでも一歩も譲らなかった。
効果的だったのはサイド攻撃だ。安部、糸数を軸にした素早い配球から、堀切、柴田らがタイミングよくサイドを駆け上がって、チャンスをつくった。ただ、ラストパスが不正確なため、鹿島守備陣を切り崩せなかった。
退場者を出し、数的不利になるまでは互角の展開だった。しかし、延長に入ると守勢に回った。運動量が落ちたところを突かれ、セットプレーから決勝点をもぎ取られた。
Jリーグ経験者は皆無で、全員、アマ登録。午前中は社業をこなすチームがJリーグ勢を撃破、この日も王者鹿島をあと一歩まで追い込んだ。
「特に判断の速さ、技術の正確さが違う」。石橋監督は鹿島との差を受け止めながらも「やってきたサッカーは間違いなかったと思う。次につながる大きなものをつかんでくれたはず」という。石井主将も「チームとして自信になった」と、来季に向け手応えを感じ取っていた。