サッカーの第87回天皇杯全日本選手権(日本サッカー協会、Jリーグ主催、静岡新聞社共催)第10日は8日、松江市営陸上競技場などで5回戦7試合を行い、清水は横浜Mを延長の末、5―3で破った。
▽5回戦(岡山陸)
清水(J1) 5(2―0 0―2 延長 3―0 0―1)3 横浜M(J1)
▽得点者【清】市川、OG、西沢2、原【M】田中裕、大島、清水
▽観衆 5108人
【評】清水は横浜Mに2点差を追い付かれて延長に持ち込まれたが、3点をたたき込んで振り切った。
清水は前半1分、CKのこぼれ球を市川が決めて先制。21分には相手のオウンゴールで2点差とした。後半5分に相手が1人退場となり、さらに攻め立てたが、ことごとく決定機を逃す。すると捨て身で前掛かりに来た横浜Mに後半26分、1点を返され、終了間際にも決められて同点、延長に突入した。延長では清水が落ち着いたボール回しを取り戻し、8分、交代出場の西沢がこぼれ球をけり込んで勝ち越すと、10分には原がプロ初得点。14分には原の折り返しをまたも西沢が胸で押し込み、横浜Mの反撃を1点に抑えた。
途中出場原と西沢 嫌な空気振り払う
2点リードを追い付かれての延長戦。嫌な空気を振り払ったのは、後半途中出場の新旧2人のFWだった。ベテラン西沢が鮮やかに2得点をたたき込めば、ルーキー原も待望のプロ初得点をマークし、完全に横浜Mの戦意を奪った。長谷川監督は「トーナメント戦ではラッキーボーイの存在が重要。今後、どういう活躍をするか楽しみ」と2人に大きな期待を寄せた。
今季、清水の攻撃を背負って立つために移籍してきた西沢だったが、得点は5月9日のナビスコ杯大宮戦のわずか1点のみ。思うような結果が出せず、「ふがいない成績」と自身へのいら立ちが募っていた。それだけに、文句なしの2ゴールに「きっちり仕事ができた」と試合後は晴れ晴れとした表情を見せた。
一方の原も、デビューを飾ったリーグ最終節の鹿島戦は無得点で不完全燃焼。この日はそのうっぷんを晴らすかのように右足を振り抜き、ネットを揺らした。「思い切り走り、シュートを打ってやろうと思っていた。結果につながって良かった」と初々しい笑みを浮かべた。
課題は残る。負ければ終わりのトーナメント戦。勝利こそが至上命題とはいえ、この日は全体にミスも多く、内容は乏しかった。清水への完全移籍が決まった児玉は「内容を伴って勝つのがベスト。改善するところはあると思う」と振り返った。「疲れを取り、気持ちを切り替える時間はある」。長谷川監督は2週間後に控えたG大阪戦に向け、チームを仕上げ直す。