Jリーグ1部(J1)第24節第1日(エコパスタジアムほか=7試合)は、磐田―清水の静岡ダービーは、清水が後半ロスタイム、チョ・ジェジンの決勝ゴールで、1―0で磐田に競り勝った。
(2)エコパ(清水2勝)
清水13勝5分け6敗(44)1(0―01―0)0磐田11勝1分け12敗(34)
▽得点者【清】チョ(9)
▽観衆 33678人
【評】終始、守勢に回っていた清水が勝負強さを発揮して、終了直前に決勝点を奪った。
立ち上がりから主導権を握ったのは、中位に低迷する磐田だった。厳しいマークで相手の動きを封じ、右サイドからの崩しを主体に攻め込んだ。後半に入ると、突破力のある太田を投入し、一段と攻めに拍車をかけた。だが、攻撃パターンに変化が少なく、最後まで清水の最終ラインを切り崩せなかった。
清水は押し込まれながらも、センターバックを軸に落ち着いて対応。ゴール枠内へのシュートを許さなかった。攻めては終盤、サイド攻撃を仕掛けて反撃。ロスタイム、ペナルティーエリア右外の藤本のFKにチョ・ジェジンが鋭く反応、ダイビングヘッドで合わせ、“サヨナラ勝ち”した。
約束守り3戦連発 チョ
劇的な勝利だった。互いにスコアレスで迎えた後半ロスタイム。藤本が右FKからニアサイドに低いボールを入れた。飛び込んだのはエースのチョ・ジェジン。低い弾道にうまく頭を合わせ、3戦連発となるゴールをたたき込んだ。01年セカンドステージ以来の5連勝、沸き返るサポーター席に一直線に走り、勢いに任せてユニホームを投げ入れて喜びを爆発させた。
「前の試合後、次も勝ちます、と言った。自分のゴールでその約束が守れて良かった」と勝利をかみ締めるチョ。高木和にDFのブロックを頼み、まんまとニアサイドのスペースを使った。絶妙のアシストをマークした藤本もしてやったりの表情。「アキさん(西沢)が交代で入って(マルキーニョス)パラナが付き、前のスペースが空いていた。ジェジンがいいタイミングで入ってくれた」と狙い通りのゴールだった。
磐田に押し込まれ、ヒヤリとする場面が繰り返された。攻めに転じようにも前線にボールが入らない。「89分間はジュビロのペースと言っていいような試合だった」と長谷川監督。攻めを重視しMF兵働を左サイドバックに配した布陣も不発で、前半途中からフォーメーション変更を余儀なくされた。
それでも、前線から粘り強く守備に当たって最後まで失点しなかった点にチームの成長が現れている。「攻められても両サイドで時間を作ってくれて余裕を持って防げた」とU―22代表のDF青山。ゲーム主将の高木和も「監督の要求に応えようと選手がやってきて、1つレベルアップにつながったかな」と胸を張った。
伊東3重の喜び
○…ボランチ伊東に8月31日、待望の第1子昊輝(こうき)ちゃんが誕生。3506グラムの元気な男の子で、くしくも伊東自身と誕生日が重なる慶事となった。チームも5連勝を収めて3重の喜びに包まれた33歳のベテランは「相手にボールを支配されていてもあきらめずに粘り強くできた」と3試合連続となる完封勝ちに満足感をたたえた。
後半ロスタイムの劇的なゴールの熱狂で、赤ちゃんの誕生を祝う“揺りかごダンス”のパフォーマンスこそやり損ねたが、「皆がテルさん(伊東)のために頑張ろうという気持ちを持っていた」とチョ・ジェジン。試合後のサポーターへのあいさつの際にゴール時にできなかった“揺りかご”を皆で実行し、喜びを分かち合った。出産に立ち合い「感動したかな」と照れくさそうに笑う伊東は仲間の温かい祝福に「ありがたいことだな」と感謝しきりだった。